仏の教えを分かりやすく説いた文章「法語」が、挿絵とともに月ごとの暦の上に記された『法語カレンダー』(真宗教団連合)が毎年発行されている。表紙と合わせた13編の法語を、編集者がえりすぐる。2022年版の9月のページに、江津市波積町にある光善寺の前住職、波北彰真さんの<手を合わせ 仏さまを拝むとき わたしのツノを 知らされる>が選ばれている▼1974年1月から毎月、町内の中学生に言葉を添えたはがきを送ったことを機に長く続いた『中学生はがき通信』が出典である▼「大人の私たちが子どもたちへ言って聞かせてやるではなく、自分の生きざまを問いながら、自分自身に語りかけると同時に子どもたちへも語りかけることにした」。本紙の連載企画「いわみ談話室」で、はがきを届けた思いの一端を語ってもらった。ちょうど21年前のきょうのこと▼ツノ、という言葉にぴんとくる人もいるだろう。素朴な信仰心を持つ「妙好人」として世界に紹介された、温泉津の浅原才市(1850~1932年)。画家に自らの頭に角が生えた肖像画を書いてもらったのは有名な話。元湯の近くにある広場に銅像が立っている▼波北さんの『中学生はがき通信』に、こうある。<ツノは心の姿 むさぼり・腹立ち・おろかさ 他人のツノは よく見えるが 自分のツノには 気がつかない>。師走を前に自らの至らなさを省みる。(万)