入国時に指定宿泊施設で待機を求められる国・地域
入国時に指定宿泊施設で待機を求められる国・地域

 政府は1日、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」について、国内で2例目となる感染が確認されたと発表した。南米ペルーから中東カタール経由で成田に到着した20代の男性で、11月27日に入国し、現在は医療機関で隔離されている。松野博一官房長官は「特段の事情」があれば例外的に外国人の新規入国を許可する運用も厳格化すると表明。国土交通省が日本に到着する国際線の新規予約を12月末まで停止するよう各航空会社に要請した。水際対策を強化した格好だ。

 全日本空輸と日本航空は1日、国交省の要請を受けて、日本に到着する全ての国際線の新規予約受け付けを停止した。日本人も対象で、予約していなければ原則、年内の帰国ができなくなる。

 関係省庁で構成する政府のタスクフォースは対応を協議。厚生労働省によると、20代の男性は入国時の検査で陽性が確認された。当初無症状だったが、その後熱や喉の痛みが出た。ファイザー製ワクチンを9、10月に2回接種していた。同乗の114人はいずれも陰性で、濃厚接触者として扱い、健康状態を継続的に調べている。

 松野氏は会見で、入国時に陽性となった場合は「全てをゲノム解析している」と説明した。政府関係者によると、男性は国内1例目となったアフリカ南部ナミビアの外交官の濃厚接触者ではないという。

 政府は11月30日から、全世界を対象に外国人の新規入国を禁止。「特段の事情」も厳格に適用する方針を表明した。今夏の東京五輪・パラリンピックでは出場選手らに適用。国内では来年2月の北京冬季五輪の前哨戦となるフィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルが12月9~11日に控えており、対応が焦点となっている。

 これに関し松野氏は会見で「当面の個別大会の取り扱いについて、現在検討中だ」と述べた。これまで入国を認めてきた特段の事情に関し、政府は(1)外交・公用(2)日本人の夫や妻、子供(3)公益性のあるもの―などと説明。このうち公益性の観点で認めてきた国費留学生らの入国は当面禁止する措置を取った。

 また政府は南アフリカなどアフリカ10カ国について、在留資格を持つ外国人らの再入国も原則拒否すると発表した。