今回のコラムでは久しぶりに農林水産物の輸出にスポットライトを当てよう。先日の農林水産大臣の会見で、2021年の農林水産物(加工食品などを含む)の輸出が1兆円を超える見込みとなったことが発表された。1~10月の輸出額が9734億円とのことで、例年の11、12月の実績を踏まえると、大台突破は間違いない。新型コロナの影響で日本のみならず世界的な混乱の中、昨年同期間比で3割弱も大幅に伸ばしたことは農林水産業界にとって明るいニュースだ。

 政府はもともと19年に1兆円という輸出目標を掲げており、それから2年遅れでの達成となる。ただし以前のコラムでも解説した通り、計画策定当初の目標年度は20年で、輸出の伸びが好調だったことから途中で1年前倒しした経緯があり、実質的には1年遅れとなる。

 品目別に見ると、日本を代表するブランド商品の伸びが顕著だ。牛肉が約90%、日本酒やウイスキーが約80%の大幅な増加で、新型コロナ禍からの回復が進むアメリカや中国などの消費ニーズをうまくつかむことができたことが勝因の一つである。今後欧州やアジア諸国がポストコロナへと移行すれば、...