松江市出身の女子プロゴルファー、浜崎未来(TSKグループ)が2022年、新たな飛躍を期す。21年は島根県出身者として、1996年の山下一子(江津市出身)以来、25年ぶりにプロテストに合格。初シーズンは目立った成績を残すことはできなかったが、「経験したことを22年シーズンに生かしたい」と課題を冷静に分析し、「優勝争い」を目標にオフのトレーニングに励む。 (三浦純一)
憧れ続けた女子プロゴルフ界の厳しさは、負けず嫌いな浜崎を強く刺激した。2021年はレギュラーツアー、ステップアップツアーに計7試合出場し、5度の予選落ちを経験。壁にぶち当たったようにも見えるが、得意のアイアンショットは、プロの世界でも通用する手応えをつかんだ。「アイアンショットは自信を持っていいかなと感じた。パットやアプローチのショートゲームとともにもっと磨きたい」と話す。
予選会を突破し、9月には国内女子四大大会の日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯に出場。目の当たりにしたのは、ラフの長さ、ピンの位置といったコースセッティングの難しさを物ともせず、スコアを伸ばすトッププロの姿だった。
同世代で東京五輪銀メダリストの稲見萌寧が大会史上最少スコアで優勝した一方、自身は4打足りず決勝ラウンドに進めなかった。「自分の実力のなさとレギュラーツアーのトップで戦っている人との差を感じた。難しいセッティングへの対応力や調子が良くない時でもスコアをまとめる力がまだまだ足りない」。率直に反省点を口にできるのは、自分を客観的に見つめることができている証しでもある。
プロ1年目は、支えてくれる人のありがたさを再認識した年でもあった。
8月には、山陰では2年ぶりとなったステップアップツアーの「山陰ご縁むす美レディース」に出場。普段は滋賀県湖南市を拠点にし、地元を離れているだけに「たくさんの人に応援してもらっていることに気付いた試合だった」と振り返る。だからこそ、予選を突破できなかった悔しさは大きく、「勝ちたい」という思いを強くした大会でもあった。
ステップアップツアーが主戦場になりそうな新シーズンに向け、オフで重点的に取り組むのは、体力と精神面の強化。プレッシャーがかかる中で3、4日間を戦い抜く体づくりとともに、今まで取り組んでこなかったというメンタルトレーニングに時間を割く。「まずは体力面。その上で、『成績を出したい』などいろいろな感情をコントロールできれば、スコアも良くなると思う」と前を向く。
▽略歴
はまさき・みらい 松江市立城北小学校1年の時にゴルフを始める。松江市立第一中学校から宍道高校に進学。2016年の全国高校選手権の女子個人で、島根県勢として初の優勝を果たした。21年6月、日本女子プロゴルフ協会のプロテストに合格。滋賀県湖南市在住。21歳。