

島根県立情報科学高校(安来市能義町)の生徒3人が、郷土の人気武将・山中鹿介をコンセプトにしたご当地カレーを企画した。ごろっとした鹿肉が食べ応え抜群のトマト系本格スパイスカレーで、地元事業者がレトルト品として今春にも発売する。3人は「月山富田城鹿肉カレー」と名付け、安来ファンの獲得につながってほしいと願う。
梶村聖音(まさと)さん(17)、河野太一さん(18)、高橋珀(はく)さん(18)の3人。3年の課題研究の授業で、食を入り口にした観光業の活性化をテーマに昨年4月から取り組んできた。
地域の歴史や現状を調べる中、月山富田城跡(広瀬町富田)の整備と山城ブームにより登頂者数が増加傾向にあるにもかかわらず、土産物が少ないため地元にお金が落ちないという課題を知った。ならばと山中鹿介にちなみ、鹿肉を使ったスパイスカレーを売り出そうと考えた。
レトルト品も開発するカレー工房ダーニャ(松江市東出雲町錦新町8丁目)の門脇幹尚副代表(39)が協力。鹿介の忠心を象徴するせりふとして有名な「願わくば、我に七難八苦を与えたまえ」から着想を得て、「七つ」のパウダースパイスと「八つ」のホールスパイスを使用した。商品化に当たり、パッケージの筆文字は鳥取県在住の書家・河田広樹さん(38)が手掛けた。
今後は学校や道の駅で試食アンケートを行う予定。反応を踏まえて改良し、安来市内の事業者から3月ごろの発売を目指す。3人は「知名度を高め、将来的にはカレーをきっかけに安来に来てもらいたい」と期待する。 (今井菜月)