土産物卸売業のマルニシ物産(出雲市灘分町)が、海上自衛隊の護衛艦「いずも」で提供されるカレーをレトルト食品として商品化した。島根県東部の旧国名が付く護衛艦にちなんだ商品開発を検討する中、海自隊員が毎週金曜に食べるカレーライスに着目した。近く出雲大社周辺の土産物店を中心に島根県内で順次、店頭に並ぶ。
海自では金曜にカレーを食べる習慣があり、レシピが各艦艇や部隊によって異なる。護衛艦いずものカレーは具材に豚肉、タマネギ、ジャガイモのほか、エリンギを使うのが特徴。大きめにカットされたエリンギの食感が楽しめる。
マルニシ物産の西尾貴延社長(51)は以前から自衛隊に関心があり、2013年に名付けられた護衛艦いずもの存在を知り「名前に絡めて何かできないだろうか」とレトルトカレー商品化を発案。昨年10月ごろに海自のホームページでレシピが公開されたことをきっかけに実現に至った。
レトルトカレー「護衛艦いずもカレー」は浜田市内の企業に製造を依頼。護衛艦いずもの調理責任者にも試食をしてもらい、アドバイスを受けながら味を整えた。1人前(200グラム)800円。
パッケージの色は実物の護衛艦いずもに合わせ、商品名の書体も船体に記された文字を再現するこだわりよう。西尾社長は「誰もがおいしいと思えるうまさに仕上がった。パッケージとカレーの両方を楽しんでほしい」と話した。 (藤原康平)