


東京五輪の聖火リレー中止の検討を表明したことが国内の各主要メディアに取り上げられ、今や全国区の知名度となった島根県の丸山達也知事。実は、この丸山知事をモチーフにしたキャラクターが存在する。県が有名クリエイターに依頼して制作した「まるやまくん」という公式キャラがいるのだが、県外在住者はもちろん、県民でも見たことがある人は少ない。知事本人が注目を浴びる一方で、なぜ公式キャラが全く日の目を浴びないのか。探ってみた。(Sデジ編集部)
2019年4月の県知事選で、歴代最年少の49歳で初当選した丸山知事。その若さと行動力を選挙時から売りにしており、自身が広告塔となって県内外に情報を発信するための手だてを当選直後から県職員に投げかけていた。
お隣の鳥取県では、平井伸治知事が「スタバはないけどスナバはある」「カネはないけどカニはいる」といった駄じゃれでたびたびメディア出演している。島根県の露出といえば、バラエティ番組で「どっちが島根でどっちが鳥取か」といった食傷気味な話の種にされる程度で、発信力の差は歴然だった。
▼ビッグネームが協力
丸山知事の厳命を受けた島根県広報室(現・広聴広報課)が、「県政情報を発信する上で資料などに一添えできるものはないか」と考え、生まれたのが「まるやまくん」だった。
紺色のスーツに青いネクタイを身につけ、温和な表情を浮かべた3頭身ほどのキャラ。同年11月、報道向けに開かれたキャラのお披露目会では、直立と、右手を掲げた2種類のポーズ絵が発表された。モデルとなった丸山知事は「かわいくはないけれど、活用していきたい」と自嘲気味に話していた。