キャラを使用してまもなく、個人ブログなどで「県内の有権者に向けての売名に当たる」と指摘する声があったという。民間の使用は認めておらず、選挙の1年前からは使用しないことも事前に取り決めていたが、県民の目は厳しかった。キャラを見る目がそのまま知事を見る目となるため、慎重を期して県内での使用は取りやめることとなった。
▼続く悲劇
ならば有権者のいない県外イベントで、と再起を狙う県職員をさらなる悲劇が襲う。新型コロナウイルスだ。
県外での観光PRや移住促進イベントで扱うのぼりなどでの使用を想定していたが、20年1月にコロナが国内初上陸して以降、県外イベントは軒並み中止になった。その後も今に至るまで、県外での県関連イベントはなく、小畑管理監は「使いたいという思いはあるが、実質出番が無いという状態がずっと続いている」と苦笑いだ。
知事がPRキャラとして使われた例は、丸山知事以外にもいくつかある。
07年に当選した宮崎県の東国原英夫・元知事は一時期、自身の似顔絵キャラの使用を民間も含め容認し、食料品や衣料品まで、県内外を問わずさまざまな商品に使用された。愛知県も15年、大村秀章知事をモデルにした観光PRキャラ「ひでっち」を製作。同県ゆかりの観光資源に絡めた複数のパターンが存在し、同県観光協会もイベントで使う着ぐるみに加え、イラストをあしらったボールペンやトートバッグといった関連商品を今年3月末まで販売していた。
▼次の出番は?
丸山知事本人の知名度は、当時と比べて格段に上がっている。まるやまくんの県内使用の再開や、関連グッズの制作など、いま一度、運用方法について再考する考えはないのだろうか。