中海・宍道湖・大山圏域市長会の設立総会で握手する松浦正敬松江市長(左から4人目)、長岡秀人出雲市長(同2人目)ら=松江市八束町波入、2012年3月29日撮影
中海・宍道湖・大山圏域市長会の設立総会で握手する松浦正敬松江市長(左から4人目)、長岡秀人出雲市長(同2人目)ら=松江市八束町波入、2012年3月29日撮影
 中海・宍道湖・大山圏域市長会の設立総会で握手する松浦正敬松江市長(左から4人目)、長岡秀人出雲市長(同2人目)ら=松江市八束町波入、2012年3月29日撮影
中海・宍道湖・大山圏域市長会の設立総会で握手する松浦正敬松江市長(左から4人目)、長岡秀人出雲市長(同2人目)ら=松江市八束町波入、2012年3月29日撮影
 中海・宍道湖・大山圏域市長会の設立総会で握手する松浦正敬松江市長(左から4人目)、長岡秀人出雲市長(同2人目)ら=松江市八束町波入、2012年3月29日撮影  中海・宍道湖・大山圏域市長会の設立総会で握手する松浦正敬松江市長(左から4人目)、長岡秀人出雲市長(同2人目)ら=松江市八束町波入、2012年3月29日撮影

 出雲市内で2月中旬にあった中海・宍道湖・大山圏域市長会の総会。松江、出雲、米子などの圏域5市長を前に、全国街道交流会議の全国大会を2022年に開くことが報告された。

 大会テーマは文豪・小泉八雲が残した足跡。松江との深いつながりで知られる八雲だが、旅した圏域の各地も作品に登場する。全国大会を機に、これら八雲ゆかりの地を「道」として結び、圏域共通の文化資源として発信する狙いだ。

 出雲大社のお膝元にある出雲観光協会の稲根克也事務局長(61)は「観光資源を掘り起こし、共通のストーリーでつなぐ取り組みが必要」と指摘した上で「現状の広域連携はそこまでの形には至っていない」と口にする。

▽越境往来少なく

 背景には、県境の存在がある。各市はかねて圏域内の周遊観光を促すが、東西を往来するような人の流れはまだ弱い。

 19年5月に松江市で10年ぶりに開催された日本三大船神事の一つ・ホーランエンヤ。3日間で延べ38万5千人の観覧客が訪れたが、皆生グランドホテル(米子市皆生温泉4丁目)の伊坂明社長(50)は「皆生温泉街への波及効果は少なかった」と振り返る。

 19年の宿泊客数は松江市が211万人、米子市が101万人、出雲市が79万人で、圏域全体(407万人)の96・3%を占めた。大規模イベントがあった場合、開催市のホテルや旅館が満室になることはあっても、周辺市に来訪客が泊まるケースは多くない。

 行政区域の枠を取り払い、常時、圏域内の宿泊施設の空室状況が一覧できるウェブサイトを設けるなどすれば、観光客の旅の選択肢は増えるはずだ。

▽移住者取り合い

 コロナ禍の今、各市が連携して地方回帰の流れをUIターン者の獲得に結びつけなければならない。

 圏域が山陰地方における人口流出の「ダム効果」の役割を果たしているとはいえ、64万人の圏域人口は過去5年間で1万3千人余り減少し、下降線をたどる。

 定住促進に向け、各市は合同のUIターン相談会などを都会地で開いている。だが、参加経験のある市担当者は「就職先や職種によって他市を紹介することもあるが、住んでもらいたいのが本音。結局は移住者を取り合う状況から抜け出せていない」と打ち明ける。市や県の垣根を越え、圏域全体で受け皿になるという視点がなければ、激しさを増す全国の誘致競争には打ち勝てない。

 圏域市長会は前身の中海市長会に出雲市が加わり、12年に設立した。松江市の松浦正敬市長と出雲市の長岡秀人市長が今春で退任し、発足当時を知る市長は誰もいなくなる。

 日本海側で新潟(110万人)、金沢(75万人)に次ぐ規模の都市圏の将来を新たな顔ぶれでどう描くのか、それぞれの手腕が問われる。(政経部・片山大輔、久保田康之、出雲総局報道部・松本直也、米子総局報道部・田淵浩平が担当しました)