「事業性取引先数を増やすことを重点目標に掲げているが、果たして正しいのか? 最近、疑問に思っている」

 先日、某地銀役員のX氏から意見を求められた。それに対し、筆者は、まずは取引先の中から訪問頻度が低く、突っ込んだ付き合いができておらず、事業実態をつかんでいない、「ぶら下がり先」を分類したらと提案した。

 事業実態が分からなければ、融資対象はおのずと信用リスク面で問題のないと思われる層に絞り込まれ、ここには多くの金融機関が殺到し、融資金利は低くなる。

 金利が低く、自ら実態把握できないリスクがある、それが「ぶら下がり融資」である。Xさんには、...