【南部】鳥取県南部町出身の孔版画家・板祐生(1889~1956年)が集めた江戸-大正期の神社の神札や御朱印など計342点の展示会が南部町下中谷の「祐生出会いの館」で開かれている。当時の人が「疫病退散」などを願って参拝した様子をうかがえ、来場者が往事に思いをはせる。3月28日まで。
全国の神札収集家との交流を通じて全国から集めた。出雲大社(出雲市)や伊勢神宮(三重県)、金刀比羅宮(香川県)のほか中国地方の神札なども多い。
このうち木野山神社(岡山県)の「疫病退散」の神札には、明治中期に大流行したコレラが「虎列刺」と当て字をすることから、虎に打ち勝つとしてオオカミの絵が描かれている。
中尾慶治郎副館長(74)は「神札には当時の人々の切実な願いが込められており、思いに触れてもらえたらうれしい」と話した。
開館は午前9時~午後5時。火曜休館。入館料は一般300円、高校、大学生200円。中学生以下は無料。
(岩垣梨花)