JR西日本米子支社が25日、伯備線岸本-伯耆大山駅間にある遮断機や警報機のない鹿間第2踏切(米子市二本木)に新開発の手動式踏切ゲートを設置した。水平方向に開閉するバーを設けることで、通行人の一時停止や左右確認を促し、事故防止につなげる。2022年度に境、木次両線でも計3カ所に設ける。
ゲートは高さ1・1メートルの支柱に、発泡スチロールをウレタン加工した長さ1・8メートルのバーを装着。線路を挟んだ出入り口に設置した。手で押し開け、自動的に閉まる。
米子支社管内には、遮断機などがない「第4種踏切」が36カ所ある。19年度に2件、20年度に1件の事故が発生し、うち19年6月に境線の踏切(米子市富益町)では普通列車と軽自動車が衝突して1人が死亡。人と軽車両が通れる鹿間第2踏切でも、04年に女子大生が特急列車にはねられて亡くなった。
国の運輸安全委員会は通行人の注意力に頼る第4種踏切の廃止や保安装置の充実を鉄道事業者に求めている。JR西は1日10人以上が通る箇所への対策で、信号保安装置メーカーなどとゲートを共同開発。山口県内の山陰線での試験を経て、米子支社管内で初めて本格運用にこぎ着けた。
米子支社安全推進室の高橋英成室長は、遮断機や警報機と同等の事故抑止効果を期待し「必ず左右確認をしてほしい」と呼び掛けた。
(田淵浩平)