松江市内の高校を今春卒業し、市内外に進学する若者と地元企業の接点をつくるイベントが10日始まった。先輩の現役大学生が自身の経験を基に企画。地元企業やそこで働く大人との関わりを通じて、就職する際に古里へ目を向けるきっかけになればと願う。
1週間の日程で、卒業したばかりの22人と市内外の21社が参加した。それぞれ1社の職場を訪れ、社員と交流して企業のPR動画を作る。
宍道高校を卒業し、市内の専門学校に進む迎彩夏さん(18)は、山陰ケーブルビジョン(松江市学園1丁目)を訪問。インターネット接続契約を検討しているお客を回る社員に同行し「笑顔で親切に営業する社員を間近で見ていると、インターネット事業のことを多くの人に知ってもらいたくなった」と話した。
イベントを企画したのは、松江東高の卒業生で、明治大商学部1年の野津昂太郎さん(19)。企業に趣旨を説明して協力を取り付け、運営まで担う。
高校3年時の大学決定後に市内の企業で働く大人と交流する機会があり、地元に対する意識が変わったという。「漠然と起業願望があり、そのためには東京しかないと進学先も選んだ。話を聞いて、課題先進地である島根こそ挑戦する意義があると思った」と振り返る。
後輩たちに同じような発見の機会を提供したいと企画運営に奔走し「若者の地元との関わりを増やすことで、島根を盛り上げたい」と力を込めた。
(今井菜月)