海外男子メジャー、マスターズ・トーナメントで松山英樹が優勝を果たした12日(日本時間)、山陰両県のゴルフ関係者たちは、歴史を塗り替える快挙に沸き、「ゴルフ人気が高まり、競技人口の増加につながってほしい」と「松山効果」に期待を膨らませた。

 玉造温泉カントリークラブ(松江市宍道町西来待)の桝博吉支配人(56)は、出勤中の車内のテレビで、解説の中嶋常幸さんと宮里優作さんが涙声で偉業を伝えるのを聞き、自然と涙がこぼれたという。「本当に感動した。日本のゴルフ界の歴史を変える優勝だ」と興奮気味に話した。

 島根県ゴルフ協会の荒川賢吉事務局長(68)は2030年に島根県で開催予定の国民スポーツ大会を見据え、松山の優勝が底辺の拡大につながることを期待。3密になりにくい特徴から、島根県内でも若者の間でゴルフ人気が高まっているといい「松山が勝ってくれたことで、ゴルフ熱がさらに高まりそうだ」と話した。

 マスターズが開かれるオーガスタ・ナショナルGCはゴルファーにとっても憧れの場所。選手たちも松山の快挙に刺激を受けた様子だった。

 8月に大山平原ゴルフクラブ(鳥取県伯耆町丸山)で開かれるステップ・アップ・ツアー「山陰ご縁むす美レディース」の出場を目指す女子プロの金宮みかどさん(32)=米子市在住=は「日本人がメジャーで勝つことは並大抵のことではない」と話した。プロを目指し、滋賀県湖南市を拠点に活動する松江市出身の浜崎未来さん(20)は「難しいセッティングの中で、(スコアを伸ばすためには)ピンポイントで打つ必要があった。アイアンの精度が高くないとできない」と、松山の高い技術に感動していた。(藤原康平、奥原祥平)