中国電力島根原発2号機(松江市鹿島町片句)の再稼働について、安来市の田中武夫市長は23日の市議会本会議で、同意を正式表明した。市議会が同日、同意方針を賛成多数で支持したことを受け、最終判断した。今月末をめどに、立地自治体の島根県の丸山達也知事に回答する。

 (桝井映志)

 田中市長は1日に同意方針を表明していた。本会議終了後の報道各社の取材に対し、市内は特殊鋼関連など製造業が盛んで安定的な電力供給が必要なことに触れ「地域経済のためにも市民の安全安心が担保できるなら、稼働やむなしということだ」と改めて判断理由を説明した。

 県への回答に当たり、適切な運転、維持管理を中電に要請する▽住民向け啓発活動への財政支援拡充-などの意見を付けるよう市議会から求められており、これらを踏まえて市として付帯意見をまとめる。

 一方、市議会は、同意方針を支持する島根原発対策調査特別委員会(三島静夫委員長、6人)の報告に対する賛否を採決。出席議員17人中、永田巳好議長を除く16人の採決結果は賛成14、反対2だった。自民党系の最大会派・政進クラブ(8人)の所属議員などが地元製造業への安定的な電力供給などを理由に賛成。共産党と自治労系の議員が事故時のリスクの大きさなどを理由に反対した。採決に加わらなかった永田議長は取材に対し、同意を支持する考えを示した。

 島根原発2号機の再稼働を巡っては、立地自治体の松江市長が2月に事前了解(同意)したほか、米子市長が18日に、境港市長が22日にそれぞれ同意を表明した。残る出雲、雲南両市長は今月中に判断を示す見通し。丸山知事は周辺自治体と県議会の意見が出そろってから結論を出すとしている。