安来市島田町特産の「島田たけのこ」の出荷が本格化した。隔年で豊作となる「表年」に当たり、5月初めまでに前年比34・6%増の35トンを阪神の市場に出荷。販売額は70・0%増の1700万円を見込む。
島田加工農業協同組合によると、粘土質の赤土がタケノコ生育に適し、竹林の間伐や草刈りをし肥料を与えて育てるため、繊維が細かく、軟らかいのが特長。高値で、料亭や旅館で使われる。
今年は前年より4日早い3月13日に初出荷。組合の集荷場に朝採れが持ち込まれ、出来栄えや大きさで選別、箱詰めされている。6日からは毎日出荷され、集荷時間の午後1時~2時半ごろには組合事務所で直売も行う。
島田たけのこは江戸後期の1807年、清水寺(安来市清水町)に入ったモウソウチクを住民がもらって植えたのがルーツ。引き合いは強いが、組合員は高齢化や後継者不足で、1949年の組合発足当時(105人)の3分の1の37人まで減り、50~60年代に600トンに達した出荷量も激減した。
岩崎義明組合長(73)は「先祖からつながる島田の特産をつぶしたくないという思いで頑張っている」と話す。17日午前9時から、道の駅あらエッサ(安来市中海町)で「たけのこまつり」を開き、PRする。
(桝井映志)