ブタに会えるガソリンスタンドが島根県安来市吉佐町にある。ドライバーをはじめ、近所の住民もブタを訪ねてやって来る。犬や猫ではなく、なぜブタなのか、店長に聞いた。
(Sデジ編集部・吉野仁士)

 

 ブタのいるガソリンスタンドは西日本宇佐美山陽支店9号安来東SSで、鳥取県との県境に近い国道9号沿いにある。ブタは3匹いるらしい。スタンドを訪ねると、事務所の入り口横にケージがあり、黒い毛並みのブタ2匹が毛布の上で寝そべっていた。

事務所の入り口横に置かれたケージ内でおとなしくするチョコとミント。日中はあまり動かない

 ともに体長は120センチほどで、なかなかの体格。人には慣れた様子で、客や従業員が入り口を通るたびに、鼻をヒクヒクさせながら近寄ろうとした。体の大きさに少したじろいだが、人に懐く様子はかわいらしい。

 もう1匹のブタは2匹と少し離れ、事務所内の一角に作られた専用スペースにいた。体長50センチほどの子ブタで、スペース内を元気いっぱいに歩き回る。3匹とも、わざわざ写真を撮るために客が訪れるほど人気の「看板ブタ」だ。

事務所内の一角につくられた子ブタ用スペース。すぐそばにペット用具が積まれ、大事に育てられているのが分かる
子ブタらしく常に歩き回り、人が近づくとつぶらな瞳で見上げてくる。マスコットとして人気なのもうなずける

 

 ▼きっかけは従業員の友人

 ブタの飼い主で、育ての親の宇那手大助店長(41)によると、2匹がスタンドに来たのは2019年10月。ウシやブタを多数飼う、従業員の友人から「ブタの子どもが2匹いるが、飼ってみないか」と言われ、二つ返事で決めたという。

 宇那手店長は昔から動物が好きだが、転勤が多く、仕事であまり家にいないため、動物を飼う機会がなかった。友人からブタは賢く丈夫できれい好きな生き物だと教わり「24時間営業のスタンドでなら飼えると思った。かわいかったので『お客さんに喜ばれそう』という思いもあった」と話す。

 

 ともに、ペット用に飼われるミニブタ、マイクロブタに分類される。家畜のブタは成獣になると...