新型コロナウイルスのオミクロン株の亜種で従来型の1・4倍の感染力があるとされる「BA・2」が、山陰両県でも広がり始めている。調査した検体の4割程度で確認されており、両県が危機感を強めている。
島根県は3月中旬以降の感染者の検体69件を全ゲノム解析し、39%に当たる27件で感染を確認。1~2月の検体では1件のみで、3月以降で置き換わりのペースが速まったとみている。
14日に会見した県感染症対策室の田原研司室長は「置き換わりは確実に進んでおり、感染者が増える可能性がある」と説明。従来株と同じくワクチンの追加接種で発症や重症化予防の効果が期待できるとし、早期接種を呼びかけた。
鳥取県は同日、4月上旬に確認した感染者のうち無作為に選んだ検体36件を調べた結果、16件で感染が疑われると発表。平井伸治知事は「県内で広がっていると考えざるを得ず、連休明けにはBA・2が主流になるストーリーはあり得る」と述べた。
(佐々木一全、藤井俊行)