松江城下を巡る松江市の堀川遊覧船で、歴史の専門家が乗船し、船上から城の構造や防御の工夫などを解説する「国宝松江城歴史遊覧船」の運航が5月9日に始まる。歴史解説に特化した遊覧船は初めてで、新たな魅力発信につなげる。
元松江歴史館専門官の宍道正年さん(74)が講師を務め、山陰中央新報社から発行した「親子で学ぶ堀川遊覧船と国宝松江城」をテキストに使う。船で攻めてくる敵を高台から鉄砲や弓で攻撃する目的で一部が川に出っ張った石垣、城内への侵入経路を限定するために三つに絞られた橋、往時の面影を残す船着き場などを紹介する。
運航開始を前に、18日に報道関係者向けの試乗会を開催。宍道さんは「堀からしか見られないものもあり、陸とは違う視点で松江城や城下町の魅力を感じてほしい」と話した。
ふれあい広場乗船場(黒田町)を発着する約50分と、同乗船場から大手前広場乗船場(殿町)までの約40分の2コースを設定。繁忙期を除く平日に予約制で貸し切り運航する。
1隻(乗船客9人以下)の料金は市内在住者が申し込んだ場合は9千円、市外だと1万5千円。別途、講師謝金(下船後の松江城天守見学解説含む)として県内者1万円、県外者2万円が必要。予約は宍道さん、電話090(9464)6232。
(片山大輔)