読者のみなさんから、考えたい身近なテーマについてコメントを募り、山陰中央新報とSデジに掲載する「さんコメ!」。たくさんの投稿をありがとうございました。紙面には一部しか載せていませんが、Sデジでは全てのコメントを読むことができます! 記者の雑感もありますので、そちらもお楽しみください(カッコ内はペンネーム。内容は一部編集しています)。
>子ども(孫)いる?って聞くこと、聞かれること
>専門家の意見・島根大法文学部教授の片岡佳美さん
>記者雑感 時が過ぎ、今は気兼ねなく
>コロナ禍で時間の使い方は変わった?
>次回テーマ「マスク生活、どう思う?」
【子ども(孫)いる?って聞くこと、聞かれること】
1 この質問は、必要の要るの? それとも生まれて居るの? のどちらでしょうか?どちらにせよ、すごくプレッシャーとウザさがありますね。純粋にほしいと思う気持ちをうせさせた、新婚当初を思い出しました。今となっては、自然に私もつい聞いてしまいがちですが、聞き方に十分な配慮の必要がありますね。
2 事実を伝えるだけなので、特に何も思わない。本当に何も思わん。
3 不妊治療している人がいるから自分は聞かない。自分も結婚してすぐに子どもはできなかった。聞かれたこともあったけど、特に何も思わなかった。
4 特に抵抗ない。世間話のひとつ。相手も深く考えていないと思う。自分も会話に困ると、何の気なしに聞いている気がする。子どもに限らず自分が話したくない話題は誰にでもある。うまくかわすことを身につけるのもひとつの手だと思う。
5 仲のよい友人とは気兼ねなく話しますが、職場などでは自分から話題にはしません。結婚や子どものことは、ある程度関係ができてからでないと聞けないです。別に聞かなくても会話は成り立ちます。(O)
6 結婚して7年間、子どもができなかった経験があります。私自身は全く気にしておらず、できないならできないで夫婦2人で楽しむぞ、と思っていました。が、人によって価値観の差が激しい分野だと思います。子どもがいまいが、できようができまいが、それもあり、それも個性、と誰もがそんなこと気にしない社会になればよいな、と思います。(よしこ)
7 この言葉でつらい思いをする場面はイメージできても、笑顔になる場面はあまりイメージできないですよね。悪くて相手を傷つけ、よくて何も起こらない。そんな言葉を言う意味はあるのかと言われると、そこは疑問だと思います。日本は世界一の不妊大国であり、5.5組に1組の夫婦が妊活をしている現代において、この言葉は言わないほうが相手のためにも自分のためにもよいのではないでしょうか。
8 若い方で結婚しておられるのが分かれば聞きます。もし、子どもがいなかったら年齢的に不快な思いをされるかもと思ったら、申し訳ないので聞きません。(ふじこちゃん)
9 実際あんまり聞かれたことがない。親戚や年配の人からは聞かれたことあるけど、若い人は、こっちが先行して子どもを望んでいることを伝えていたからかも。私も聞いちゃうときがあるけど、あえて子どもつくらない人もいるし、子どもがすべてではないから、聞く必要はないのかもしれない。聞かれて嫌な人も居るだろうし。(のんびより)
10 自分からはあまりしないようにしています。話の流れの中で、おられるのが分かったら聞くことはありますね。
11 結婚されているかどうか、子どもがいるかどうか、私は本人さんが言わない限り、聞かないようにしています。子どもがいても、1人だと「そうですか」くらいの反応で、2人以上だと「大変ね」といったような反応に聞こえます。1人だ、と言うと「それは、かわいそうね」という声を何度か聞いて、肩身の狭い、つらい気持ちになりました。自分の経験から、子どもの話はあまり出さないし、話を膨らませたくないという思いがあります。子どもや孫の話がすぐ出てくる方は、順風満帆なのだなと思ってしまいます。(のっこりん)
12 子どもはいる? と出会った人に聞く気はありません。自分にいないからではないです。子どもには子どもの人生があるので、親と子どもをひっつけて話をすることはないと思っているからです。
13 50代子どもなし女性です。自分からは決して聞きません。自分も聞かれたら「子どもは居ません」と答える程度です。子どもの有無や既婚か未婚を話題する会話には入りません。自分自身が不妊治療を経て離婚→再婚したので、土足で踏み込む話ではない。ただ私たちより年配の方々に「かわいそう」って言われるのは勘弁してほしい。若い方のほうが分かっていて話題にしない。
14 数年前、不妊治療を経て妊娠、出産をしました。現在は子どもが2人いて、子どもがいるかを聞かれると自然に話しができますが、昔は、不快な気持ちになりがちでした。なので私からは聞かないようにしています。
15 ここ数年、この質問を受けることがとてもつらかったです。結婚当初、不妊治療をしました。ありがたいことに1回目で授かって、でもすぐ流産しました。子どもの命を大切にできない、守れない、母になれない、だめな自分だと思いました。2回目のチャレンジは、心身のダメージや、命を守れるのかと思うと怖くてできずに結婚生活6年目を迎えました。ずっと子どもがいないことが、夫婦として、家族として足りていないような気持ちでした。質問する方はそんなつもりはないでしょう。でもそんな心境でした。でも、最近、この質問をされた時、さらっと「いません」と答えられました。心境の変化があったのだなぁ、と思います。今は夫婦2人と猫1匹の生活です。夫婦仲はいいし、猫はかわいいし、幸せです。子どもがいることも家族の形でしょう。子孫が続いていくことは、生き物として、本能的な願いでもあります。相手方は良かれと思って、また、時に定型文的に聞く人もいると思います。ただ、この質問について数年悩んだ者の1人として、悩む仲間のような誰かに伝えたいです。子どもがいても、いなくても、あなた自身の価値がないことはないですよ! もがいた先に何か見えるものが、きっとありますよ! いつもなら、こういう事はスルーするのですが、この数年を経験して、伝えたくなったんだなぁと思いながら、書いてみました。できることなら、質問する側も、家族の形っていろいろあるかもしれんなぁ、という新しい価値観の種まきができていけばいいなぁ…。
16 子や孫がほしいと思っているのにいない人にとって聞かれることは、酷だと思います。だから、聞く必要があるときに、私は聞きます。(やっこ)
17 私の場合は、よく子どもさんは何歳? と聞かれることが多いですが…。聞かれる側としては自分の歳が分かってしまうので(笑)少し恥ずかしいかな。「子どももいますが孫もいます!」(笑)と答えることも多いです。自分から聞くことはあまりないですね。(さやさや)
18 その質問自体、悪意はないと思うが、相手の受け取り方がさまざまなので、言わないようにしている。自分も結婚後5年間子どもができなくて、その質問を素直に聞ける時と聞けない時があった経験から、他人に気軽に聞けなくなっている。でも、聞く人が悪いとも思わないし聞かない人がよいとも思わない。
19 いる前提で聞かれ「いや、おりません」と答えると「まだ若いしそろそろねぇ」というパターンが多い。数年後は聞きもされなくなりそうだけど、逆に深読みして、この人はわが夫婦のことをどういう目で見るんだろう・・・と考えてしまう。自身はさておき、親も「お孫さんは?」と聞かれているんだろうなぁ、そっちのほうが複雑な心境になる。(よめ子)
20 なかなか子どもができなかったときは、聞かれてよい気分はしませんでした。ただ悪意があるわけじゃないし、自分も、とくに年上の人には子どもや孫がいるものと思って接しがちなので、言う側の気持ちも分かります。相手と距離を縮めたいがゆえの言葉だと思うし、こうした言葉に出会うのは仕方ないけど「子育てしてこそ一人前」「早く子どもをつくったほうがいいよ」などと続けられるとつらいです。人によってはデリケートな話題で、傷つく人もいるんだと知っておくことが大切で、自分の経験や考えを押しつけ、上から目線に聞こえることを言ったりするのは控えた方がいいと思う。(金田一耕助の母)
21 職場では、その人自身に関する話はするけど、子どもや交友関係のことは積極的に聞かないことにしています。仲良くなるなかで家族の話が出ると、話をしてよい内容なんだなと思って話を広げます。(1番ショート田中)
22 自分が独身の頃は、新婚さんにはあいさつの様に聞いていました。でも自身が結婚し、なかなか子宝に恵まれなかった時、「お子さんはまだ?」と聞かれるのが苦痛で苦痛で。それからは聞かなくなりました。聞く事に誰も悪気なんてないです。でも聞かれる側にはさまざまな事情があり、聞かれたくない場合もあります。自分が経験しなかったら、今もその気持ちはわからなかったと思います。今は高齢出産も増えていて、余計に敏感になっている人が多いと思うので、気軽に聞くのは止めた方がいいと思います。
23 このご時世、聞きづらい質問の一つです。不妊の方が増えていたり、独身の方も多いので、かなり仲良くなってからじゃないと踏み出せない質問にかわったと思います。(cherry)
24 娘が1人います。出産する前は子どもは2人と考えていましたが、産後の体調が悪くて諦めました。娘も兄弟がほしいと言うこともありましたし、私自身も娘や夫に対して申し訳ない気持ちもあります。そんな時に周りの保護者の方から「1人なの?」「何で?」と聞かれる事もあって、とても悲しくなります。悪気はないと分かってはいますが、落ち込みます。今は子どもの話題になったら最初に「一人っ子なんです」と伝えるようにしています。(子供は宝)
25 私は恋愛がうまくいかず、なかなか結婚できなかったので「結婚しないの?」と聞かれることがつらかったです。晩婚で、子どもはいなくても夫婦で楽しく暮らそうと考えていました。が、思いがけず妊娠、出産しました。以前は「お子さんは?」と聞かれることもありましたが、いつも「ごめんなさい、いないんです。相手を探すところからなんです」と言っていました。少子化で子どもを産む事が「よいこと」という雰囲気は感じていたので、ごめんなさいという気持ちでした。今、子育てに悪戦苦闘していて思うのは「子どもがいることって幸せ?」と思います。とても批判されると思いますが、子どもがいなくても、独身でも、楽しさはそんなに変わらないと思いました。子どもがいてよかったのは、あまりにも忙しすぎて、嫌なことがあってもすぐ忘れるようになったことです。子どもがいることで幸せを感じますが、独身時代に楽しかったことができなくなるので、どちらの人生でも、同じくらいの幸せ度合いで生きていけると思います。なので、子どもがいなかった時の自分に会えたら、「焦らなくて、悩まなくて、そのままでいいんだよ」と言いたいです。今は、「子どもはいる?」と聞いてくる人は、ただ話題がほしいだけで、「明日の天気はどうなる?」と同じ、軽い気持ちで聞いているだけだと私は思っています。(しましま)
専門家の意見
島根大法文学部教授の片岡佳美さん(51)に聞いた。

大多数は「元気?」と聞く感覚で、相手にさほど関心があるわけではないのだろう。コミュニケーションの取っかかりに過ぎない、何げない言葉が、相手を傷つけている事実に気がつかないといけない。
生き方、家族のあり方は多様化していることを頭では分かっているはずでも、こうした一言に自らがとらわれてしまっている。多様化が体に染みついていないことの表れだろう。そこからいかに解放されるかが大切だ。
中年ぐらいの男女と子どもが歩いていたら「家族だろうな」と思うことが多いかもしれない。そこを、そうでないかもしれない、と自覚したいところだ。
また「子どもはいない」と言われた場合「あら残念ね」「産んだほうがいいよ」などと価値観を押しつけるのではなく、その人の生き方として尊重し、受け入れる言葉が自然に出てくるだろうか。個人をリスペクト(尊敬)するコミュニケーションのスキルが身についているかが問われる。
この質問に限らず「男女のペアと子」といった「典型的な家族像」を想定した制度や取り組みはたくさんある。その「像」に出合うたびに、不快に感じる人がいることを知ってほしい。
晩婚化・少子化の時代において、それでも「家族」という型から抜け出せていない。特に地方は顔が見える付き合いが多いために、その傾向は強いかもしれない。家族と結びつけて人生を考えてしまうことも多い。質問に傷つくのは、受け手も「子どもはいないといけない」「子どもがいたら幸せ」という無意識の枠にはまっていることもあるかもしれない。幸せに生きる条件は「家族」を通す以外にもある。どんな立場にあろうと、その人の生き方が尊重されなければならない。
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かたおか・よしみ 専門は家族社会学。松江市を中心に、離別・死別・未婚のシングル女性の支援活動をする団体「るりっく」代表を務める。
記者雑感 皆さんからのたくさんの投稿に考えさせられました。「子ども(孫)いるの?」と聞かれることについて、ツイッターにもつぶやきましたが、死産経験があり、直後は答えに窮しました。「いない」と言うと、その子に悪い気がしましたし、その子の存在自体がなかったことになるような気がしたからです。また、事実として「いたけど、死産しました」と答えると、相手が困るだろうな、と言葉に詰まることが半年くらい続きました。時が過ぎて、今は気兼ねなく「いない」と答えますし、聞かれることに抵抗もありません。ただ、質問されるのは年配の人が多いですね。そのうち、本当に耳にしない質問になるかもしれませんね。(担当記者)
【コロナ禍で時間の使い方は変わった?】
1 コロナ禍でも、インドアなのであまり苦痛ではありません。県外に旅行しなくても、近くで楽しめます。人混みを避け、近くの公園などに子どもを連れて行って遊んでいます。(O)
2 在宅勤務で、通勤時間を家事や育児にあてられるようになった。心にも余裕が生まれ、もう昔の生活には戻れません。ミュージカル鑑賞が趣味。コロナ禍をきっかけにライブ配信がふえ、遠くの劇場の配信も家で見ることができてうれしい。
3 もともとそんなに旅行とか遠出をしないので、コロナだからといって変化はない。家に居ることが増え、化粧品が減らなくなり、買う頻度が落ちた(笑)。
4 大きく変化ない。夫が在宅勤務になって一緒に過ごす時間が増えたぐらい。
5 ライブに行きたいけど、職場に迷惑をかけるかもと思ってひるんでしまいます。軽い運動や、ビタミン剤を飲んだり、春ウコンを飲んだりして免疫力を高めようと心がけています。野菜も食べてます。
6 コロナに負けるな。新しい生活習慣だと何でもコロナのせいにして、自粛やマスク生活を当たり前に浸透させようとしてる行政の姿が垣間見えるから、コロナ前と変わらない生活をあえて心がけてます。会いたい人には会いに行く。感染対策を重視するあまり、マスクを外すのが恥ずかしい、変だ、などという風潮に流されたくない。
7 コロナで時間の使い方はかなり変わったかもしれません。とにかく人とよりも自然と関わる時間が増えました。農作業を始めた事もあり、ソーシャルディスタンスはバッチリです。(ふじこちゃん)
8 すごく変わった。夫婦で在宅勤務ができて2人で過ごす時間が増えた。コロナ前より時間に余裕ができた。ゆとりをもって家事やお茶休憩もできる。散歩に行くことが増えた。コロナ禍だったから不妊治療も仕事を辞めずにできた。大変だけど助かったこともあった。(のんびより)
9 全くコロナをなんとも思わないので何一つ生活は変わらないが、周りの人が自粛などのルールのもとで生活をされているので周りとのかかわり方が変わった。なので、外に行く機会が減り、おうち時間が必然的に増えた。それにより、自分に向き合う時間ができて、息子と一緒にいる時間ができて、今までと違う幸せの形に気づくことができて、それはそれで本当によい時間だと思う。むしろ、コロナに感謝だ。
10 仕事の休みの日は家で過ごすことが多くなり、好きな音楽を聞いたり、書き物や塗り絵などなどをしたりと、おうちで楽しむ時間が長くなりました。時々、一人でウオーキングやランニングで汗を流したりもします。時間を有効に使ええるようになったかな?。(さやさや)
11 コロナ禍の時間の使い方は変わっていません!私は看護師で病院勤務、夫は工場で製造する仕事だからです。ただ変わったことといえば、学校行事や部活動への参加時間が、減ったことですね。(やっこ)
12 コロナだからと生活は変えていません。仕事上、他県の業者と商談することが多く、社員の面接で他県の子が会社に来たり、私が他県に行ったりで、コロナ以前と変わりありません。マスク、手の消毒はきちんとしています。乗り物は電車は特急、バスは乗らずにタクシーを使っています。お金が多めにかかりますが、コロナにかからない予防代と思ってがんばっています。(ドルチェ)
13 外食が減ったことです。家にいる時間が長いので、料理のレパートリーを増やしたいと思ってます。
14 県外出張がリモート会議になったり飲み会がなくなったりしたため、仕事の作業効率が大幅アップ。その分、家族で家に一緒にいる時間(テレビを見たりご飯を食べたり)が増えました。(1番ショート田中)
15 洋服の断捨離や模様替えなど住環境の整備をすることが増えました。出かけられない分、週末に時間があるので腰を据えて取り組めて楽しかったです。ハンドメード雑貨を見たり買ったりするのが好きで、県内外のイベントで買っていましたが、そんな機会もあまりなくなったので、自分も刺しゅうを通信教育で始めました。(金田一耕助の母)
16 飲み会が減り、おうち時間が長くなったことで、今までも好きだった窯元の器収集や器をつかった料理、家庭でハーブの栽培など新たな楽しみが見つかりました。(よめ子)
17 県外へ行ってはいけないという夫の会社の規制があり、旅行も帰省もできず、楽しみが減っています。家族やおいっこ、めいっこに会いたいのに全然会えなくて悲しい。遠くへ出かけられない分、家の周辺で個室のあるご飯やさんへいったりしています!
次回テーマ「マスク生活、どう思う?」
次回のテーマは、読者からリクエストのあった「マスク生活、どう思う?」です。マナーとして着用が求められ、息苦しい生活が2年に及びます。表情が見えない中でのコミュニケーションが常態化し、成長期の子どもたちへの影響も気になります。コメントは ツイッター とLINEで募ります。ツイッターは「#さんコメ」をつけてつぶやいてください。5月中旬に特集を組みます。お楽しみに!