下半身を引き締めるトレーニング方法を紹介する福谷早耶香さん(右)
下半身を引き締めるトレーニング方法を紹介する福谷早耶香さん(右)

 新型コロナウイルス禍で3度目の夏がだんだん近づいてくる。夏は薄着になるため、服の上からとはいえ、体形が気になる季節。自信を持って夏を迎えられるよう、今からでも対策をしておきたい。女性が自宅で手軽にできて、引き締まった体につながるトレーニング方法を専門のトレーナーに紹介してもらった。(Sデジ編集部・吉野仁士)
 

 講師をお願いしたのは、筋肉や骨格の仕組みに詳しい島根大医学部付属病院(出雲市塩冶町)リハビリテーション部の理学療法士、福谷早耶香さん(28)。福谷さんは島根県アスレティックトレーナー協議会の認定トレーナーとして県内の小中高校に出向き、効果的なトレーニング方法やけがの予防方法について指導している。2018~2021年には松江市出身の飛び込み選手、須山晴貴さん(24)の専属トレーナーを務めた経験もある身体機能のスペシャリストだ。

島根県アスレティックトレーナー協議会認定トレーナーの福谷早耶香さん

 福谷さんによると、女性の体作りに特に有効なのはお尻を含む股関節周辺とくるぶしの筋肉を鍛えるトレーニングだという。「股関節周辺の筋肉を鍛えることで腰回りが引き締まる上、姿勢が良くなる。さらにくるぶしを鍛えることで脚が細く見え、よりきれいな体になる」と解説する。

 福谷さんは大きく分けて四つのトレーニングを教えてくれた。動画を交えて紹介する。

 

①ブリッジ

 
  • あおむけになり、膝の角度が90度になるように曲げる。足の間は拳1個分開く。手は腹の上に置く。
  • その状態のまま、5秒ほどお尻を上げる。肩から膝までが一直線になるように意識する。上げている間、腰が左右に傾かないように注意し、足は親指と小指に均等に体重がかかるようにする。

 

 ブリッジはお尻、太もも、背中の筋肉を鍛えるトレーニング。10回が目安で、慣れると10回を1セットとして複数回試してみても良いという。膝を曲げた状態で片方の脚だけを真っすぐ伸ばし、その体勢のままお尻を持ち上げると、より負荷がかかり鍛えられる。

 家にバランスボールやバランスディスク、ストレッチポールといった器具がある人は、それぞれを足の下に置いてお尻を上げることで、より効果的に鍛えることができる。器具がなければラップの芯でも代用できるという。

 

 

②オンエルボーでのサイドブリッジと太ももの外側(お尻の横側)のトレーニング

・サイドブリッジ(脇腹と骨盤のトレーニング)

 
  • あおむけから横向きになり、体の下側にある方の肘で体を立てる。両膝は後ろに90度曲げ、上から見た時に肩から膝までが一直線になるようにする。
  • その姿勢のまま腰を上げ、横から見た時に頭から膝までが一直線になるようにする。上げている間はお尻と腹を締め、肘でしっかりと床を押すことを意識する。

 

・太ももの外側(お尻の横側)のトレーニング

 
  • サイドブリッジの①の姿勢になり、体の上側の脚を真っすぐ伸ばす。伸ばした脚は上から見た時、体よりも少し後ろに来るようにする。
  • その姿勢のまま、伸ばした脚を上げる。

 

③オンエルボーでのサイドブリッジと太ももの後ろ側のトレーニング

 
  • サイドブリッジの姿勢になり、同様に腰を上げる。
  • 腰を上げたまま体の上側の脚を伸ばし、ゆっくり体の後ろに持って行き、元の位置に戻す。脚だけを動かし、腰が反らないように注意する。

 

 ②と③はいずれもお尻の横と後ろの筋肉を鍛えるトレーニングで、これも10回1セットで行う。福谷さんによると、この部位を鍛えることでヒップアップにつながるほか、歩くときの姿勢の改善にもなるという。体を引き締めるだけでなく、歩行機能のトレーニングとしても有効だそうだ。

 

④カーフレイズ(ふくらはぎのトレーニング)

 
  • 立った状態でかかとを付け、足首を約45度開く。
  • かかとを付けたまま、つま先立ちになるようにかかとを上げる。バランスを崩す人は、台や椅子に手を置いて行ってもよい。腹を前に出さないこと、お尻を締めること、かかとが上がる所まで上げることを意識する。

 

 カーフレイズはふくらはぎのトレーニングで、これまでと同様に10回1セットで行う。負荷を上げる際は階段を利用する。段に足の先を載せ、かかとはつま先よりも低い位置にある状態からかかとを上げる。上げる際、かかとが内側を向かず、つま先から真っすぐになるようにする。福谷さんは「ふくらはぎは女性がパンツスタイルやスカートを着る際にも見えるところ。そこが引き締まっていると脚がきれいな印象になる」とトレーニングの必要性を説く。

負荷を上げたい時は階段で同様のトレーニングを

 

 普段あまり運動をしない人はいずれのトレーニングも10回1セットから始め、徐々にセット数を増やしていくことで理想の体に近づくことができそう。トレーニングのタイミングは歯磨きの際やテレビを見ていてCMになった際など、ちょっとした時間にすることがお勧めだという。福谷さんは「短期間にたくさんトレーニングをしてもすぐに結果は出ないので、とにかく継続することが一番。そうすることで効果が出てくるので、ぜひ紹介したトレーニングを試してみてほしい」とほほ笑んだ。夏に間に合わせるため、今日からでも四つのトレーニングを始めたい。