物置状態の部室を大掃除するeスポーツ研究会のメンバーら=3月30日、安来市能義町、島根県立情報科学高校
物置状態の部室を大掃除するeスポーツ研究会のメンバーら=3月30日、安来市能義町、島根県立情報科学高校
物置状態の部室を大掃除するeスポーツ研究会のメンバーら=3月30日、安来市能義町、島根県立情報科学高校

 新聞記者をしていると、傍観者でいられず、うずうずしてくるときがある。新企画「記者×(駆ケル)」は本紙記者が地域に入り込み、関係者と一緒に課題解決までとことん追い掛ける。プロジェクト第1弾は「eスポーツ」。

 今春、島根県立情報科学高校(安来市能義町)に2、3年生部員5人の「eスポーツ研究会」が誕生した。「ゲーミングPC」と呼ぶ高性能パソコンを駆使し、対戦ゲーム「ロケットリーグ」で全国のライバル校と覇を競うという。

 いてもたってもいられなかった。記者は10年ほど前から、格闘ゲーム「ストリートファイター」シリーズ(カプコン)のとりこだ。対戦相手との息詰まる読み合いや、勝負どころで連続技が決まった時の興奮には現実のスポーツと変わらぬ奥深さと熱中性がある。

 ロケットリーグは、3人でチームを組み、車を操作してサッカーに似た競技を行うゲーム。ジャンルこそ異なるが、対戦を通じて得た経験は通じるものがあるはず。eスポーツ研究会の対外戦初勝利に一役買えれば、と学校を訪ねた。

▼驚くほど地味

 まぶしく輝くPC、ゲームに打ち込む部員たち…。想像と期待を膨らませ、3月末に学校を訪ねると、意外にも部員たちは大掃除に汗を流していた。

 聞けば、通信環境整備に時間がかかり、PCがいつ配備されるか未定という。

 しばらくは、部室に使う「データー室」の掃除が部の主な活動だった。プログラミングの教本や大量のケーブル、プリンターなどが散乱するデーター室は物置状態で、生徒からは「開かずの間」と呼ばれているのだとか。近未来感を漂わす研究会の出発は、驚くほどに地味であった。

 記者も掃除を手伝い、ごみを分別しながらも、どこか楽しげな様子の部員たちに意気込みを聞く。

 キャプテンの小山篤司さん(17)=3年=は「今は掃除が大変。だけどわくわくしてます」とにやり。「楽しむだけでなく、部活として取り組む意味を考えながら、みんなと頑張りたい」と頼もしい様子で答えてくれた。

▼目標、決勝大会

 部員はいずれも、射撃やスポーツのオンラインゲームを遊んだ経験がある。ただ、チームを組んで真剣に対戦に取り組むのは初めてだという。大掃除から始まる部活動というのは、団結力を強めるには案外ぴったりかもしれない。

 研究会の最終目標は、12月に予定される「全国高校eスポーツ選手権」の決勝大会に、県代表として出場することだ。ただ、スタメン枠は3人。春の訪れとともに新入生も加わり、レギュラー争い激化の予感がしてきた。

 

 =eスポーツ編第2回は5月2日付で掲載します=

 記事を書くよりゲームが好き、報道部・中島諒