鮮やかな緑色は、子どもたちの目にどう映っただろう。ゴルフのマスターズ・トーナメントを制した松山英樹選手が優勝者に贈られるグリーンジャケット姿で帰国会見に登場。「子どもたちが僕みたいになりたいと思ってくれればうれしい」と語った▼快挙を成し遂げた29歳の憧れは幼い頃からタイガー・ウッズ選手(45)。マスターズ史上最年少の21歳3カ月で優勝を飾った1997年大会をテレビで見た5歳当時の記憶が、今もあるという。画面越しで見つめたグリーンジャケットに袖を通した感慨はひとしおだろう▼49年から優勝者に贈られるグリーンジャケットは、表彰式では体形に近いサイズの「仮ジャケット」を着用。その後、オーダーメードされ、自由に持ち運びできるが、1年後に返却しなければならない▼快挙を受け、山陰のゴルフショップは盛況。使用モデルなどを買い求める客が増え、特設コーナーも登場した。松江市内のゴルフ練習場に足を運ぶと、「今回を機に子どもたちがゴルフを始めてくれればうれしい」と支配人▼そういえば、クラレ(東京)が全国の新小学1年生4千人を対象とした「将来就きたい職業」で、99年の調査開始以来、男の子の不動の1位だった「スポーツ選手」が「警察官」にその座を譲ったという。コロナ禍でスポーツ観戦する機会が減ったのが要因のようだ。グリーンジャケット効果で首位奪還なるか。(健)