未知のウイルスに対する不安が社会を覆い、恐怖に変わりつつあった昨春。初の緊急事態宣言が発令された直後、横浜市の私立保育所では1人の保育士の感染が判明した。施設は市の制止を振り切り、直ちに保護者に事実を伝えた。切迫した状況下で、ただ子どもたちを守ることを思って。市長は対応の誤りを認めたが、保育所での感染を社会に伝える難しさは残った。 柔らかな日差しに包まれ、布団で川の字になった子どもたちが、すやすやと寝息を立てる。「思い切...