後ろ脚を大きく跳ね上げて疾走する神馬と馬付きの男衆=島根県隠岐の島町下西、玉若酢命神社
後ろ脚を大きく跳ね上げて疾走する神馬と馬付きの男衆=島根県隠岐の島町下西、玉若酢命神社

 島根県隠岐の島町下西の玉若酢命神社で5日、島後三大祭りの一つで、県指定無形民俗文化財「御霊会風流(ごれえふりゅう)」が営まれた。祭礼のハイライトとなる馬入れ神事では、町内から8頭の馬が拝殿を目指して疾走し、観客を沸かせた。

 

 隠岐諸島にある神霊を総社に集めて御霊会を催すのが由来の祭りは、かつて島前も含めた48地区の神々が集まったとされる。現在は西郷や東郷、下西など隠岐の島町にある8地区から神馬が集う。

 新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催。馬は1頭ずつ、6人の馬付きを従えて鳥居をくぐると、拝殿までの約100メートルを全力疾走した。馬の中には興奮して後ろ脚を大きく跳ね上げたり、馬付きを振りほどいたりして境内に集まった人たちをどよめかせた。

 馬入れの後も国道485号で流鏑馬(やぶさめ)や競い馬があり、沿道の住民は大きな拍手を送った。

 初めて長男(2)を連れて見に来た同町西町の自営業冨田祥典さん(42)は「久々に見ると迫力があった。(長男は)『もう1回』と言っていた」と笑顔で話した。

       (鎌田剛)