参院選は自民党の勝利で終わったが、山積する難問に岸田文雄首相はどう対処していくのか、手腕に注目が集まる。東京大名誉教授の御厨貴氏、慶応大教授の白井さゆり氏、前駐インドネシア大使の石井正文氏が選挙戦を総括し、今後の課題を展望した。

東京大名誉教授・御厨 貴氏 問われる首相の主体性

慶応大教授・白井さゆり氏 説得力欠いた野党政策

前駐インドネシア大使・石井 正文氏 外交強化への環境整う

 ―選挙結果の総括を。

 御厨 安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件は民主主義や言論の自由への挑戦だ。皮肉にも、それが投票行動を促したと思う。安倍氏の死が自民党単独での改選過半数の確保につながり、岸田政権を数の上で安定化させたわけだ。どうせ与党は勝つだろうという認識から投票に行く必要はないと考えていた層で、事件を受けて自民へ投じた人も少なくな...