人力車を引き、神門通りを案内する糸賀太郎さん=出雲市大社町杵築南
人力車を引き、神門通りを案内する糸賀太郎さん=出雲市大社町杵築南

 地元出雲の観光を盛り上げようと、京都で10年間車夫を経験した男性が出雲大社周辺を巡る観光案内人力車を16日に始める。鍛え上げた健脚と、外国人の乗客をもてなすため磨いた英語力も生かし、出雲観光の新たな名物となるよう意気込む。 (平井優香)

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 出雲市大社町修理免の糸賀太郎さん(31)。市内の高校を卒業後、京都市の専門学校に進学。街を行き交う人力車を見るうちに興味が湧き、2010年に車夫の求人に応募した。清水寺周辺を中心に10年間無事故で勤務し、外国人客に対応できるよう仕事の傍ら外国語大学の夜間課程に通い英語を学んだ。

 以前から地元の観光を盛り上げたいという気持ちがあり、21年3月にUターン。雲南市観光協会の職員となり、今年6月末に退職後、「雲州人力社中」を立ち上げた。大社町出身とはいえ知らないことも多いため、町誌を熟読し、案内時に紹介できるよう歴史や文化の知識を深めた。

 出雲大社周辺では10年ほど前に人力車が営業していたが、今は走っていないという。15分間の体験コースや、出雲大社から稲佐の浜を75分かけて巡るコースなど4ルートを設け、価格は2人乗車で4千~1万5千円。営業日は土日月曜と祝日で、夏休みや神在月などは平日も運行する。

 15日に試乗会を開いた糸賀さんは「人力車で非日常を感じてもらいたい。出雲の魅力を多くの人に伝えられたらうれしい」と話した。雲州人力社中の電話080(6303)5229、またはホームページ、インスタグラムで予約を受け付ける。