第二章(四) 智子

「あのね、お母さん。明日のことなんだけど……」

 真奈の表情につられ、智子の声も切迫した声になる。

「何? 何かあったの? もしかして中止?」

「いや、中止じゃないんだけど……」

 あのね、と言って一呼吸おき、真奈が言いづらそうに口を開いた。

「相談っていうのは、優君のご両親のこと。少し、個性的というか、現代風っていうのか……」

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