<短歌>

 ◇朝酌公民館短歌会(松江市)

祖母と母の辛き昭和の数々を炬燵で一人思い尽きなし 野津 澄子

玄関に朝どれ野菜品々にほのかな香り昼の食卓へ 織奥 靖子

雪の中つぼみふくらむ菜の花を梅と花束客まつ市へ 青山 君代

冬の陽は納屋の奥まで入り込む広げた大豆叩きはじめる 野津 智恵

大きい子は小さい子らの手をつなぐ吹雪く雪道登校の朝 上野 和夫

暖かき日差しに一夜の雪消えて足にやさしい土の感触 岡  益恵

義妹の逝きて帰るをドクターは頭を垂れて送り給ひぬ 三代由紀子

冬空の青の薄さはやさしくて旅するように千切れ雲いく 鴛海 ...