「どうして小説を書こうと思ったのですか?」という問いを数え切れないくらい受けてきた。そのたびに「お金が欲しかったからです」と答えてきた。半分冗談のように受け止められてしまうのだが、私にとっては真実だった。

 息子が高校に入った夏、息子と2人で家を飛び出した。離婚...