港を鮮やかに彩る花火=大田市久手町、久手港
港を鮮やかに彩る花火=大田市久手町、久手港

 新型コロナウイルスの影響で中止されていた大田市最大の夏祭り「天領さん」が4日夜、3年ぶりに同市久手町の久手港周辺であり、4500発の花火が港の夜空に咲き誇った。

 江戸時代に市域のほとんどが幕府直轄の天領だったことにちなんで公募で名付けられ、1981年に始まった。おととしと去年はコロナ禍で中止。例年、久手町と市中心部の大田町、石見銀山遺跡の中核地域・大森町の3会場で開くが、熱中症やコロナの感染リスクを考慮し、今夏は久手、大森両町のみでの復活となった。

 久手町では、花火が上がる午後8時半前になると市民らが続々と港に集まった。露店はなく、いつものにぎわいまでは戻らなかったが、夜空を焦がすように連発する花火に興奮した様子で見入った。

 久手町の会社員尾崎楓さん(25)は「地元の花火が一番。屋台がなく花火に集中できたが、(コロナ前の祭りに)徐々に戻っていってほしい」と話した。

 大森町での祭りは28日に予定され、住民が江戸時代の代官や役人に扮(ふん)する「石見銀山大盛(おおさかり)行列」は実施せず、町並み交流センターで縁日がある。

 (曽田元気)