米子駅で開かれた開通式の様子を収めた写真などを眺める来場者=米子市中町、市美術館
米子駅で開かれた開通式の様子を収めた写真などを眺める来場者=米子市中町、市美術館

 【米子】山陰線の開業から今年で120年になるのを記念した企画展が、米子市美術館(中町)で開かれている。開通式を収めた明治時代の写真や路線図、時刻表など、山陰地方の近代化を支えた鉄道の歴史を伝える173点の貴重な資料が並ぶ。28日まで。

 山陰線は1902(明治35)年11月1日に境-御来屋間が開通。その後、東西に鉄路が延び、各駅を中心にまちが発展した。

 会場には、山陰地方への鉄道敷設を求める貴族院の伊藤博文議長宛ての請願書や、米子駅で開かれた開通式、駅舎の変遷を収めた写真などを展示。準急時代の「やくも号」、「さようなら国鉄号」のヘッドマークといった品々もそろう。

 市立山陰歴史館と市美術館の共催で、笹尾庸嵩学芸員は「家族で楽しめる内容となっており、鉄道の敷設によって今の米子のにぎわいが生まれた歴史を知ってほしい」と話している。

 観覧料は300円(70歳以上、大学生以下、障害者は無料)。水曜休館。

(井上誉文)