新商品「美猪子」をPRするグランディア赤名峠の奥野佳代子代表=島根県飯南町下赤名、町役場
新商品「美猪子」をPRするグランディア赤名峠の奥野佳代子代表=島根県飯南町下赤名、町役場

 飯南町内で捕獲されたイノシシのもも肉を使ったシチューのレトルト食品の「美猪子(びちょこ)」が完成した。元ホテル日航東京総料理長の照沼英則シェフ(64)の協力で、地元企業が3年がかりで開発した。じっくり煮込んだ肉は軟らかく濃厚な味わい。1箱2人前450グラム入り2300円(税込み)で町内2カ所の道の駅などで販売。町のふるさと納税の返礼品としても活用される。 (山本泰平)


 町内で有害鳥獣として捕獲される年間500~千頭のイノシシのうち約1割の加工を手がけるグランディア赤名峠(飯南町下来島)が、ぼたん鍋に使われるロース、バラと比べて消費が少ないもも肉を活用。40回近くの試作を重ね、照沼シェフが「7~8時間じっくりと低温で煮込まれたもも肉は牛肉と遜色ない」という出来となった。

 タマネギが1玉が丸ごと入っており、野菜の甘みも十分。12日に町役場で塚原隆昭町長らが試食し、ぜいたく感を味わった。グランディア赤名峠の奥野佳代子代表(74)は「記念日など特別な日に食べてほしい」と話した。