表千家の茶席で抹茶を味わう来場者=松江市北堀町、赤山茶道会館
表千家の茶席で抹茶を味わう来場者=松江市北堀町、赤山茶道会館

 茶どころ松江の秋を彩る「松江城大茶会」(山陰中央新報社主催)が6日、閉幕した。8流派が参加し、4日間の日程で3年ぶりに開催。最終日も訪れた人たちが心静かに一服を味わった。

 大茶会には、抹茶6(不昧流不昧会、武者小路千家、三斎流、表千家、裏千家、不昧流大円会)、煎茶1(小笠原流)、紅茶1(方円流)の計8流派が参加。6日は3流派が茶席を設けた。

 このうち、赤山茶道会館(松江市北堀町)の表千家の茶席では、松江松平藩7代藩主・松平治郷(はるさと)(号・不昧(ふまい))が作った竹の花入れにハツアラシの花が飾られ、栗を使った蒸し物と心のこもった一服で来場者をもてなした。

 開催を心待ちにしていたという安来市安来町の足立美代子さん(74)は「庭園もあって雰囲気があるお茶席だった。来年も来たい」と笑顔だった。

 表千家同門会島根県支部の内藤慎也事務長(48)は「喜んでもらえて良かった。まだ稽古が再開できていないところもあるので、この茶会をきっかけに、活動の輪が広がってほしい」と話した。

 新型コロナウイルス感染防止対策のため、会期を10月29、30の両日と11月5、6の両日の2週に分け、4会場で分散開催。参加者は島根、鳥取両県在住者に限定した事前予約制とし、チケット計2048枚が完売した。  (小引久実)