稲田慎之介さん
稲田慎之介さん
オンラインメディア「メニーミー」のロゴマーク
オンラインメディア「メニーミー」のロゴマーク
稲田慎之介さん オンラインメディア「メニーミー」のロゴマーク

 1年前に東京から故郷の安来市にUターンした稲田慎之介さん(25)が、山陰の食を取材・発信するウェブメディアを、立ち上げる。都内の広告代理店で食文化を生かした地域振興に関わったことが契機となり「食で人をつなげる事業をやりたい」と決断。ウェブメディアを通じて、生産者と関係を築き、将来的には食材の移動販売車を走らせる構想を描く。

 ウェブメディア「メニーミー」は今月中の公開を予定。農家、飲食店、料理人、土産物など島根、鳥取両県で食にまつわる分野を幅広く取り上げ、稲田さんが取材執筆から写真撮影、デザインまで一人で担う。当面は安来、松江、米子、倉吉、境港エリアを中心に記事を掲載し、1年間で100本の記事公開を目指す。

 地域振興に興味を持ったのは、福山大(広島県福山市)在学時。学生団体の代表を務め、福山市内で音楽イベントを開き、地域を盛り上げる楽しさを知った。

 卒業後は都内の広告代理店に就職。食のPRに携わる中、都内の高級料理店で島根県など地方の食材や器が高い評価を受けていることを実感した。ウェブメディア立ち上げを思いつき、退職後にUターンし、家業の建設会社の社員として働きながら構想を温めた。

 「単に情報の羅列ではなく、HPを通じて良い食を発見してもらい、双方向でコミュニケーションが広がっていく環境づくり」が理想と言う。取材を通じてつながった農家の食材などを「移動販売車」で届け、収益の柱とする考えだ。

 オンラインストアの展開や各地でのグルメイベント企画など、プロジェクトの夢は膨らむ。「食や料理のプロになれないけれど、今までやってきたことを生かし、メディアを通じて魅力を伝えることはできる」と信じる。

 47都道府県に1台ずつ、移動販売車を走らせる壮大な目標がある。「最初は売り上げも立たないし、難しいこともたくさんある。試行錯誤する自分の等身大の様子も合わせて発信したい」と話している。 (白築昂)