官邸で首相や官房長官を支える「内閣官房副長官」。衆参の国会議員1人ずつ、事務次官を経験したキャリア官僚1人の3人体制が慣例だ。官邸に詰めている政治記者にとっては、首相の決断の背景を知るために極めて重要な取材対象である。山陰両県関係では、小泉内閣の2003~04年に政務担当の細田博之氏(現衆院議長、島根1区)、11~12年の野田内閣で、事務担当の竹歳誠氏(元国土交通次官、鳥取県北栄町出身)が就いている。

 1987年11月に発足した竹下登内閣に始まり、94年に社会党出身で首相となった村山富市内閣まで、歴代最多となる七つの内閣で内閣官房副長官を務めた官僚出身の石原信雄氏が、1月29日に96歳で亡くなった。石原氏を知る人は一様に「うそを言わない」「裏表ない人」と口をそろえる。

 竹下内閣の「ふるさと創生」の具体策として打ち出され、...