聖火リレーのゴール地点となる医光寺総門近くに、交通規制用のコーンを仮置きする益田市職員=同市染羽町
聖火リレーのゴール地点となる医光寺総門近くに、交通規制用のコーンを仮置きする益田市職員=同市染羽町

 島根県内で東京五輪の聖火リレー開催を翌日に控えた14日、初日のコースとなる7市町村を中心に自治体職員らが準備に追われた。益田市では新型コロナウイルス感染症のクラスター(感染者集団)が発生したことを受け、山本浩章市長が一時、市内のリレー中止か規模縮小を要望。緊迫した雰囲気の中で、リレーの幕が開く。

 山本市長は、市内の医療関係者から中止を求める声があったことなどから、丸山達也知事を通じて、大会組織委員会へ中止か縮小を求めた。しかし、組織委は市民に外出自粛要請をする事態にまで至っていない益田市ではリレーはできるとの判断を伝え、山本市長は受け入れた。

 山本市長と丸山知事は益田市内の沿道では応援を控えるよう呼び掛けた。山本市長は「直前で(応援)方法に変更があり、市民に迷惑をかけて申し訳ない。未然に感染拡大を防ぐのが責務だ」と話した。

 15日は、観覧自粛を呼び掛ける看板を持ったスタッフ120人を動員。スタートで式典がある市役所(益田市常盤町)と、ゴールの医光寺(同市染羽町)を無観客とする。市五輪キャンプ誘致推進室の板井泰紀室長は「市民の安全を第一に沿道での応援自粛を要請したい」とした。

 リレー走者として準備してきた同市多田町の高校1年渡辺永絆(なずな)さん(15)は「開催できること自体ありがたい」とほっとした様子で話した。

 ただ、感染拡大で公道走行を取りやめる自治体が相次ぐ現状から、組織委の判断に首をかしげる市民も。同市須子町の無職金本裕行さん(82)は「市長が市民の健康を守るため声を上げたのは評価できるが、実際に中止や縮小にならなくて残念だ」と話した。 (取材班)