イランは弦楽器の古里らしい。例えばギターもバイオリンも起源をたどると行き着くとか。各地の伝統音楽をアレンジし女性歌手の美声で聴かせるお気に入りのバンド3組、ニヤーズ、ステラマラ、QNTALを紹介しつつ考えてみる。
ニヤーズの歌手アザム・アリはイラン生まれ、インド育ちで妖艶な歌声。「golzar」(2005年)は乾いた音色のアラブの弦楽器ウードのソロが圧巻だ。イランにルーツがあり欧州に伝わってリュートやギターを生んだという。
ステラマラは歌手ソーニャ・ドラクリッチのルーツの東欧のほか中東の音楽を奏でる。「baraka」(04年)はウードから派生したトルコの弦楽器の哀愁漂うメロディーに手拍子が絡み、フラメンコを思わす。フラメンコの古里スペイン南部はイスラム圏だった歴史があり、似るのか。
ドイツのQNTALは電子音のビートに乗せ、リュート、フィドルなど中世ヨーロッパの楽器を奏で、シグリッド・ハウゼンが伸びのある美声で歌う。フィドルはバイオリンと同種の弦楽器。「ecce gratum」(03年)での躍るような演奏がいい。
弦楽器の旅を追うと音色も曲調も変わっていくのが面白い。その地の好みか。 (志)
=Sデジにロングバージョン=
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