出雲高校出身の大学生が、希少疾病や難病患者の現状を周知するイベントをこのほど、松江市内で開いた。孤独を感じる患者が多いと知り、島根県内外で暮らす8人が昨年、ボランティア団体「ぱらてぃみ」を設立。イベントには全員が集まり、県内の患者会を紹介するパネルを展示したほか、患者の悩みを来場者に直接伝えた。 (広木優弥)
団体の発起人は、米国ワシントン州の二年制公立大学に通う長島唯人さん(20)=出雲市斐川町出西。メンバー7人は広島や東京の大学に通う。
関節リウマチを患う長島さんの知人が、同年代の患者がおらず孤独を感じていたことから発起。22年8月に希少疾病や難病患者、その支援者を対象に、ビデオ会議システムを使ったオンライン交流会を始めた。
2月28日の「世界希少・難治性疾患の日(RDD)」に合わせた今回のイベントは、初のリアル開催で、全国のRDD関連イベントを支援するNPO法人ASrid(アスリッド)やヘルスサイエンスセンター島根の協力を得て準備。RDDの説明のほか、全身に炎症が出る膠原(こうげん)病や進行性核上性麻(ま)痺(ひ)などの患者会6団体を紹介し、来場者は質問やメモを取るなどして見入った。
弁当やコーヒー、雑貨を並べたマルシェも併設した。長島さんは「地元でイベントができてうれしい。苦しむ患者さんのためにこれからも活動していきたい」と話した。