ゲームの腕前を競う「eスポーツ」を体育の授業に活用しようと、松江緑が丘養護学校(松江市上乃木5丁目)が本格的な検討を始めた。指先の操作が主で他のスポーツに比べてハンディが小さく、生徒同士の交流機会の拡大にもつながると期待する。18日には校内で体験会を開き、生徒が魅力に触れた。 (中島諒)
近くの病院に入院しながら通学したり、車椅子で過ごす生徒もいる同校は、ゲームを通してスポーツの楽しさを疑似体験してもらおうと約1年前にeスポーツに着目。生徒38人が在籍する高等部の授業への活用を念頭に、他校の先進例や導入経費などを教員間で議論してきた。
体験会は社内にeスポーツ部がある山陰パナソニック(出雲市渡橋町)の協力で開催。社員3人が家庭用ゲーム機やソフトを持ち込み、高等部の生徒8人に操作を手ほどきした。
サッカーの対戦ゲームでは得点が入るたびに生徒から歓声が上がり、2年の油谷侑登さん(16)は「ワクワクする試合だった。授業になったら皆と戦術を練りたい」と話した。
同校によると、校内にいながら健常者とほぼ同じ環境で交流ができ、戦術を練る必要があるチーム戦では生徒間のコミュニケーションの機会が増えると見込まれるという。
今後、生徒の声を聞きながら授業活用に向けた検討を加速させる考えで、景山和信教諭は「ゲームを通して人生経験を深め、新しい自分の良さを見つけてほしい」と話した。