春、多くの若者が新たな道へと歩き始めます。しまねで育った若者たちも、未来に向かって進んでいます。何を思い、どんな夢や希望を抱いて未来を描き、そしてしまねとどうつながりたいか、聞いてみました。
大阪に出て知った島根の魅力
松江北高校を卒業し大阪大学に進んだ
北山 あいさん(20)
昨夏の大学1年の夏休み。2泊3日の「しまねヒト・モノ・コト体験ツアー」に参加し、島根に対する印象が変化したと言います。

ツアーは、島根県出身学生に地元とのつながりを深めてもらうことを目的とする県の「しまねセカンドキャンパス事業」の一環。「参加したのは、チラシの『島根を知らない、島根出身学生のために。』というフレーズにビビッときたから。私も知らない。知っていくためのきっかけにしたいと思いました」
ほとんど行ったことのない県西部コースを選択。石見銀山遺跡調査のために移住した人、解体家屋の建具や自然そのままの素材を生かした建築と家具づくりに向き合う企業、自分のルーツを大切にして地域振興に取り組む人たち…。「新しい出会いのたびにぼんやりしていた輪郭がクリアになっていくような感じ。『自然豊か』とか『人が温かい』とかいう曖昧だった島根のイメージがどんどんアップデートされました。当たり前かもしれませんが、地域の印象ってヒトの印象なんだなと感じました。島根のことをもっともっと知りたくなりました」と振り返ります。

人間科学部の学究テーマに魅かれて進学した大学生活は「とても充実しています。新しい出会いや刺激もたくさんあります。Uターンするかしないか、将来の進路は全く白紙。でも、今回のツアーを通じて『島根に戻って働く』選択肢も具体的にイメージできました。地元との自分らしい関わり方を見つけていきたい」と考えています。
カタリ場で感じた、つながりの大切さ
益田東高校を卒業し自衛隊に入る
斎藤 利輝さん(18)
「あっ、知ってる」。高校3年の秋、益田市内4高校の卒業生交流イベントを計画している友人から実行委員に誘われ、説明に出てきた「カタリ場」の名に聞き覚えがありました。 初対面の地域の大人と対話した中学3年の授業。それまで誰にも話せなかった悩みを打ち明け「気持ちがすっと楽になりました」。高校2年でも同様の授業があり「家族や友人にも話せなかったことが話せる。関係が深過ぎないから、話せることもあるんだな」と感じていました。

これは、地域の大人と小中高生など異世代が対話する「益田版カタリ場」と呼ばれる授業。益田市教委などが2016年から始め、20年にはカタリ場と関わりの深いIターン者らが一般社団法人・豊かな暮らしラボラトリー(ユタラボ)を発足。市内に交流スペースを設け、交流活動を支援しています。
卒業イベントもユタラボが全面協力。実行委員会に参加するなかで、小学生と対話するカタリ場に誘われました。今度は聞き役。対話後小学生の表情が明るくなったのを見て「少しは役に立てたかも」と嬉しくなりました。

24日開催予定の市内4高校の卒業生交流球技大会は、コロナ禍の3年間学校行事が次々中止となり「自分たちで思い出づくりを」と企画したもの。実行委員の活動も含め「大切な思い出が増えた」と笑顔を見せます。
今春自衛隊に入隊し、初任地は山口駐屯地。「成長して将来は益田に必ず帰ってきたい。カタリ場やユタラボの活動に関わりたいし、地域を元気にしたい」と決めています。
野球と授業で感じた、地域への思い
大東高校を卒業し環太平洋大学に進む
川上 祐真さん(18)
「島根県で就職する」と決意したのは、中学3年生になる直前の野球の全国大会がきっかけでした。
2019年3月、静岡県で開催された文部科学大臣杯第10回記念全日本少年春季軟式野球大会。県代表として出場した大東中学校は1回戦を突破したものの、2回戦で大阪の強豪・門真ビックドリームスに1対0で惜敗しました。応援の声や寄付活動、大会後温かく出迎えてくれた地域の人たちに「結果で恩返しできなかった。何か地域に恩返しがしたい」という思いが強まりました。

将来の目標がはっきりしたのは、高校2年2学期の「地域課題研究」の授業。総合的な学習の一環で、地域が抱える課題を見つけて調査し、解決策を考える内容でした。
6人グループで子育ての課題を取り上げ、大東小学校の学童保育でスタッフにインタビュー。少子化の現状や、遊び道具が不足していることを聞き、大東高校のマスコットキャラクター「おりべちゃん」を表紙につけたぬり絵を手作りしてプレゼントしました。
「少子高齢化のことは知っていましたが、直に話を聞き、実感できました。将来自分が子どもを育てるころはどうなっているんだろう」。とたんに、地域の未来が心配になりました。

今春、環太平洋大学(岡山県)に進学。目標は島根で高校の体育教師になり、野球部の指導者になること。「子どもたちは地域の未来、教師は未来を育てる仕事だと思う。自分が暮らす地域に貢献したいし、未来を守っていきたい」。そう考えています。
しまね留学で、島根の温かさを実感
矢上高校を卒業し東京農業大学に進む
藤井 胡夏さん(18)
東京都内の中学3年生だった3年前、都内で開催されたイベントに参加して「しまね留学」に興味を持ちました。その冬、母親と2人で矢上高校を訪問。食や農について学ぶ環境が整っていて「ここならやりたいことができる」と思い切って進学を決めました。
しまね留学は島根県外に暮らす中学生が県内の高校に進み、3年間を過ごす制度。豊かな自然や地域資源、温かい人に囲まれ、少人数教育を受けることができるのが特徴で、制度を利用する生徒数は事業がスタートした2008年度から4倍の約200人に増えています。

移住した邑南町での暮らしは、それまで過ごしていた都内での生活とは一変し、車社会で1人では何もできないと実感。同級生とのコミュニケーションの輪に入れるかも不安でした。でも同級生が明るく声をかけてくれて、「すぐに学校になじめました」と振り返ります。地元の人たちも高校生活を支えてくれました。部活動や通院の送迎をしてくれて、「地域全体で私を迎えてもらった感じがしました」と笑みを浮かべます。
高校の一大イベント・秋の産業祭で、消費者に生産者としての思いを伝えようとポップを作ったり、好きではなかった勉強を頑張ったり、女子バスケットボール部に入って初めての競技に挑戦したり。充実した3年間を送ることができたと実感しています。春からは東京農大に進学し、「日本、特に地方の食について学んで、それを世界に広げたい」と夢を語ります。3年を過ごした邑南町には、「恩返ししたいし、ずっとつながっていたい」と、3年間で培った縁を大切にしていくつもりです。

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