乾燥室から運び出した板ワカメを並べる水産会社の従業員=島根県隠岐の島町加茂
乾燥室から運び出した板ワカメを並べる水産会社の従業員=島根県隠岐の島町加茂

 山陰特産の板ワカメ作りが島根、鳥取両県の漁業集落で本番を迎えている。日本海が恵む春の風物詩として受け継がれ、各地の加工場で漁業者らが新物の出荷作業に追われている。

 島根県隠岐の島町加茂の加工場では、地元の水産会社・祐生水産が期間雇用従業員を含む17人態勢で作業をする。海の凪(なぎ)を見計らって収穫した養殖ワカメを塩抜きし、縦125センチ、幅63センチの「すじ」と呼ばれる板に並べて14時間ほど熱風にさらす。

 乾燥したワカメは割れないように、2、3人がかりで1枚ずつ運び出す。「グサッ」という音とともに手際よくカットされると、部屋いっぱいに、磯の香りが漂った。

 JFしまねなどを通じて本土に出荷され、作業は4月いっぱい続く。パート従業員の平井美佐子さん(68)は「どの産地にも負けないワカメ。香り豊かな隠岐の新物を味わって」と話した。(森山郷雄)