鳥取県の平井伸治知事は20日の定例会見で、東京五輪聖火リレーの一環で21日に倉吉市内である式典を欠席する意向を明らかにした。お笑いコンビ「ガンバレルーヤ」のまひるさん(27)=鳥取県大山町出身=がランナーを辞退した背景に、大会組織委員会の対応の不備があったと指摘。「組織委の意に沿わない私が公に発言するのは返上した方がよい」と欠席理由を説明した。 (藤井俊行)
22日に鳥取市内である式典には出るが、あいさつを辞退する。組織委に意向を伝えた。
平井知事によると、まひるさんは同県日吉津村内の公道ではない場所を走る予定だった。県は、著名人ランナーが公道を走らないよう組織委に求め、まひるさんについても組織委からは公道以外と聞いていた。ところが、組織委が報道機関向けに出した資料では、公道を走ることになっていたという。
県が訂正を求めると、組織委は「機を見て新しい情報を出す」と答えたが、実行されなかった。
平井知事は、まひるさんの辞退について「その背景の中で追い詰められたと思う」と推察。「変えるべきところは変えていただかないと、今ある五輪批判は高まる一方だ」と組織委を批判した。
式典は21日に倉吉市駄経寺町の市営ラグビー場、22日に鳥取市布勢の布勢総合運動公園球技場である。
平井知事は、タレントのイモトアヤコさん(35)=鳥取県伯耆町出身=とバルセロナ五輪男子マラソン銀メダリスト森下広一さん(53)=同県八頭町出身=がランナーを辞退した背景にも言及した。2人の事務所の意向があったとし「県から辞退を迫ったことは一度もない」と強調。県が辞退を要請したとするこれまでの説明を覆した。