米子市・皆生温泉の老舗旅館「湯喜望 白扇」を運営する白扇(米子市皆生温泉3丁目、福本一宇社長)が7日、民事再生法の適用を鳥取地裁米子支部へ申請し、保全処分命令を受けたことが申請代理人弁護士などへの取材で分かった。負債総額は約16億円。
申請代理人弁護士によると、営業は継続し、食肉加工業の大山どり(米子市淀江町中間、島原道範社長)がスポンサーに入り、再建する。
帝国データバンクによると、1955年設立。従業員は15人。99年に約8億円をかけて大幅改修し、露天風呂付き客室など33室を構えた。冬場のカニ料理などが人気を博し、ピーク時の2016年8月期は売上高6億1千万円を計上した。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大で利用客が減少し、22年8月期は4億1千万円に落ち込んだ。多額の設備投資による減価償却費に加え、給湯用の燃料代の高騰や人件費の支払い負担で資金繰りが悪化し、自主再建を断念した。(岩垣梨花)