最大震度5強を観測した2018年4月9日未明の島根県西部地震の発生から5年を迎えた。約4千棟の建物が損壊するなど、被害が最も大きかった大田市で、記憶を風化させまいと、模索し、動き出す住民たち。全国各地で自然災害が頻発する中、一人一人が「自分ごと」と捉え、輪を広げる。その積み重ねが、災害に強い地域をつくる。 (大田支局・曽田元気)

海に面する地域の自主防災力を高めようと意を新たにする松浦裕さん=大田市仁摩町馬路

 大田市東部を震源としたマグニチュード6・1の地震は、大田市大田町で最大震度5強、出雲、雲南両市などで震度5弱、松江、江津、浜田各市や飯南町などで震度4を観測した。

 死者こそいなかったが、大田市内では重傷、軽傷が各2人。海岸部の久手、波根地区、山間部の三瓶町志学地区などを中心に、全壊18棟を含む3975棟が損壊し、...