5選を決め、花束を手にして喜ぶ平井伸治氏=9日午後8時28分、鳥取市新町の事務所
5選を決め、花束を手にして喜ぶ平井伸治氏=9日午後8時28分、鳥取市新町の事務所

 任期満了に伴う鳥取県知事選は9日、19市町村の359カ所で投票があり、即日開票の結果、自民、公明両党の地方組織と立憲民主党が推薦した無所属現職の平井伸治氏(61)=4期=が20万442票を獲得し、共産党新人で党県委員会常任委員の福住英行氏(47)を退け、県政史上最多の5選を決めた。得票率は2019年の前回選比0・43ポイント減の91・83%。投票率は48・85%で前回選を4・24ポイント下回り、過去最低を更新した。

 県知事選、県議選の開票結果はこちらから

 地方自治法が施行された1947年の第1回知事選以降、4選した石破二朗氏と西尾邑次氏を抜き、歴代最長の県政が誕生する。

 平井氏は、自民党県連や業界団体の要請に応え、1月10日に立候補を表明した。当初2022年末までに出馬するかどうかを判断するとしていたものの、決断は越年した。そこから3党のほか、JAや連合鳥取など44団体の推薦を受けて、盤石な戦いを展開した。

 新型コロナウイルス禍や物価高騰といった危機からの再興を掲げ、事業者や生活困窮者の支援をはじめ、今後10年間を目標に農業生産額1千億円と製造品出荷額1兆円の達成、子育ての負担軽減や移住定住促進など幅広い政策を訴えた。

 福住氏は、中国電力島根原発2号機(松江市)の再稼働反対や、米子市淀江町小波での産業廃棄物最終処分場建設計画の白紙撤回を主張したが、支持は広がりを欠いた。      (岸本久瑠人)