グローバル化のひずみを告発し「新しい資本主義」論議のきっかけをつくった2011年の反格差運動「ウォール街を占拠せよ」。世界を揺るがした草の根の反乱はなぜ起きたのか。第27回から計5回にわたり、運動の仕掛け人でカナダ在住の作家・活動家カレ・ラースン氏に聞く。

 ―運動立ち上げに至る経緯を聞きたい。

 「事の始まりは1999年にさかのぼる。その70年前に起きた大恐慌の反省から、銀行業と証券業の分離を定めた米国の33年銀行法(グラス・スティーガル法)の規制が撤廃された」

 「ニューヨーク株大暴落に端を発した大恐慌では、株に力を入れた...