米大リーグ・エンゼルスで大谷翔平選手らが本塁打を打った際、「かぶと」をかぶせられて仲間から祝福を受けるパフォーマンスが日本で反響を呼んでいる。新暦で5月5日の端午の節句が近いだけに、子や孫の健やかな成長を祈って、かぶとやよろいを飾る家庭も増えるのではないか▼一方で、もう一つの「かぶと」は、まだ大きな反響があるとは言えない。道交法改正で着用が努力義務となってから、きょうで1カ月を迎える自転車のヘルメット。かぶる人を見かけることが多くはなってきたが、周囲では抵抗を感じている人も少なくない▼一昔前は、ロードレース用か、中学生が着用する安全ヘルメットしか選択肢がなかった印象だが、最近はつばがあるハット形をはじめ、一見してそれとは分からないような物も通販などで売られている▼警察庁のまとめによると、2022年の自転車事故の死者は336人。時速24キロまでは軽く加速ができる電動自転車の普及もあり、着用が罰則付きの義務化になるのも、そう遠くないだろう▼戦国時代のかぶとは、戦場で身を守る大切な防具であるのと同時に、武将にとっては、自らをアピールする役割もあったとされる。面倒くさいかもしれないが、「変身」の一種と考えて積極的に選んでみてはどうだろう。こどもの日や母の日に、安全祈願や感謝の意を込めて、プレゼントにするのもいいかもしれない。(万)