台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁の撤回を求めて、中国メディアの発言がかまびすしい。かつての「朝貢外交」を引き合いに沖縄県の帰属問題まで言及し始めたが、尖閣諸島などで「領土問題は存在しない」という立場の官邸は取り合わない方針を明確にしている。
それは良いとして、中国メディアの論調で気になるのが、琉球王国の歴史や中国との関係などを学ぶ「琉球学」の復興である。大学で人材育成や日本の大学との連携に力を入れ、東アジアの平和的持続に役立てようとの「お題目」が書かれている。
中国で「絶学」(途絶えてしまった学問)だったものが、なぜ今ことさら取り上げられるのか。絶学にはもう一つ意味があるそうだ。少し意訳すると「唯一無二の絶対的な学問」。もしかすると、中国の一部の大学では必修科目になるかもしれない。
言論の背後に、沖縄を中国に寄せようとする国家的な意図を感じざるを得ない。韓国ソウルの東北アジア歴史財団と「独島(トクト)(竹島)研究」の関係にも似ている。日本では憲法23条で学問の自由が保障されている。ただ、国益との関係ではどうなのか。学問と政治の関係は複雑だ。
両国の研究者で言論を戦わせるのは大いに結構だが、互いに国家的な影響から独立した関係でいられるのか。杞憂(きゆう)に終わればいいが、沖縄県の帰属について、県民や日本国民の分断を誘発する事態だけは避けてほしい。(万)













