ミステリー作家新川帆立さんの小説『競争の番人』がテレビドラマ化されたのが3年前。俳優の杏さんと坂口健太郎さんのダブル主演だった。
舞台は独占禁止法を運用するために設置された公正取引委員会(公取委)。国民生活に影響の大きい価格カルテルや談合、中小事業者に不当に不利益をもたらす優越的地位の濫用(らんよう)などに対処する重要な役割なのだが、国民の認知度はいまひとつ。作中でも主人公の審査官が「弱小官庁」と自虐する場面もあった。
ドラマで認知が広がったのでは? 島根県内の経済団体代表らと意見交換するため、松江市を訪れた公取委の吉田安志委員に水を向けると「放送当時は確かに話題になった。続編を期待したが、杏さんがその後海外(フランス)に移住されたので…」。効果は一時的だったようだ。
合わせてカラフルな小冊子を紹介してくれた。子どもたちに人気の「うんこドリル」と連携した「競争のルール」。名物キャラクターの「うんこ先生」が絵を交えて公取委の役割を解説している。“お堅い”イメージとは正反対。これなら親子で理解を広げられそうだ。
意見交換会では経済団体の代表が、県内の下請け業者が不公正な取引を強いられている現状を説明。「優れた技術を持つ製造業者もあるのに、その価値が評価されず、価格転嫁がままならない」と苦境を訴えた。「競争の番人」である公取委の踏ん張りどころだ。(健)













